あんずの雑学

あんずは杏仁(きょうにん)といって、生薬としても活用されています。

むしろ薬効目的で栽培されたのが最初で、実を食べるようになったのは近代になってからと言われています。

杏仁は、あんずの種の中身を利用します。

中国にはほんの5g程度しかない蒙古あんずという野生種もあり、実を食べるのではなく杏仁として利用されています。

杏仁の効能は、咳止め、便秘解消、ぜんそくの発作を和らげる、利尿作用、鎮痛作用などがあります。

古来よりあんずを生薬として利用していた中国では、医者のことを杏林(きょうりん)と読んでいたのだそうです。

杏仁は、乾燥させて粉にしたものを利用します。

ただし、杏仁に含まれている成分アミグダリンには毒性があります。

梅やビワ、桃の種、葉っぱにも含まれていますが、エムルシンという酵素と一緒になると青酸を発生させます。

少量であれば問題ありませんが中毒を起こす成分なので、生薬の専門家などのアドバイスを受けながら利用しましょう。
あんずとスモモの見た目は、大きさ・形とともにとてもそっくりです。

あんずはオレンジ、もしくは黄色の皮、スモモは皮の色が赤いのが特徴ですが、ハーコットという品種のあんずは、赤みを帯びてスモモに似ています。

しかし、あんずの実には毛が生えているのに対し、スモモには毛がありません。

スモモもあんずと同様、中国原産のバラ科の植物です。

小ぶりの桃のような形をしていますが、酸味があるのでスモモと呼ばれます。

梅、あんず、スモモはすべてバラ科サクラ属の植物なので、お互いの花粉を利用して人工授粉ができます。

見分け方は皮の色ですが、食感も全く違います。

スモモのほうがよりジューシーです。

分類的にも非常に近い2種類の果物ですが、なんと両方をかけ合わせたプラムコットという品種もあります。

こういった果物を、ハイブリッドフルーツと呼びます。

他にも梨とリンゴ、ピーチとネクタリン、オレンジとグレープフルーツなどのハイブリッドがあります。
あんずとアーモンドは、同じバラ科サクラ属の植物です。

お互い、人工授粉することもできます。

しかし、アーモンドは杏とは違い、果肉はほとんど付かずに食べることができません。

果肉ではなく、種の部分を煎ったり揚げたりして食します。

アーモンドをあんずの種だと勘違いする人もいますが、実はビターアーモンドの香りにも良く似ているので、代用することもできます。

中国ではあんずの種を漢方薬として用いるのが一般的で、アーモンドも同じ様な扱いをされるので、それが混同させる原因なのではと思われます。

実際に、中国で杏仁(キョウニン)という名前でアーモンドが売られていることもあります。

ちなみに、アーモンドの方があんずの種よりも大きめです。

あんずの種である杏仁(キョウニン)は様々な効能を持つと共に、毒性もあります。

生のアーモンドも同じく毒素を含んでいます。

しかし、食用として出回っているビターアーモンドやスイートアーモンドにはありません。
あんずと梅は植物の分類でも同じで、実がならなければ素人では見分けが付かないほど樹木も似ています。

どちらもバラ科サクラ属で、サクラの木の中に梅やあんずの木が紛れていても、すぐにはきづきませんね。

青森県の南部地方では、八助という品種のあんずがあります。

しかし、地元の人は八助梅と呼んでいます。

八助梅をシソで巻いて漬けたものを、南部地方では梅干しと呼ぶのだそうです。

通常の梅干しよりも肉厚で、かなり食べ応えがあります。

八助梅があんずだと分かったのは、つい最近のことなのだそうです。

南高梅も、あんずに近い梅の品種だと言われています。

他にも豊後梅という植物がありますが、あんずと梅の中間種目だとされています。

中国原産の楊貴妃も、あんずと梅の雑種とされています。

青森県の八助も、梅とあんずが偶然にまじりあった雑種だと言われることもあります。

このように梅とあんずは非常に近く、お互いに人工授粉、接ぎ木をすることもできます。
杏仁豆腐の杏仁とは、本来あんずの種のことを指しますが、杏仁豆腐のレシピを見てみるとアーモンドエッセンスやアーモンドパウダーと書いてあることが多いです。

これは杏仁豆腐が作られた中国で、杏仁とアーモンドが同じように扱われていることからきています。

実際に、あんずの種とアーモンドは良く似ています。

しかし、あんずを食べたことがある人は「似ていない!」と思うかもしれません。

あんずの種はとても堅い殻に覆われていて、ペンチでないと割れないぐらいです。

その堅い殻を割ると、仁というものが1個から2個入っています。 これがアーモンドにそっくりなんです。

香りもビターアーモンドに似ています。

よくアーモンドエッセンスで使われるのは、このビターアーモンドなのです。

材料を取り寄せようとすると、中国以外ではあんずの種(杏仁)はなかなか手に入らなくて、アーモンドパウダーやエッセンスの方が手軽に作れます。 こういったことからも、英訳すると「アーモンドプリン」になってしまうのです。
アプリコットとはあんずの英語名ですが、西洋のあんずというイメージも強いです。

東洋で品種改良したものは比較的酸味が強いのですが、西洋あんずは甘みが強いです。

甘みだけではなく、香りも強いので、生食するには最適の品種です。

原点はどちらも中国ですが、東アジアで発展した東洋系と、シルクロード、中央アジアを経て地中海で発展した西洋系では、別々の進化を遂げました。

日本のあんずの産地といえば長野県と青森県ですが、それは生食をするあんずだけの話です。

実際に消費者が口にするあんずはほとんどがジャムやドライフルーツに加工されており、それらの原料はほとんどが海外のものなのです。

甘みが強い西洋種はデザートとしても人気があります。

しかし、海外で発展した品種なので、雨の多い日本で栽培するにはあまり向いていません。

そこで西洋種と東洋種を交配させた新しい品種もたくさん開発されました。

幸福丸という品種は、長野県の農園で日本種、西洋種が自然に交配して誕生したと言われています。
あんずは葉が付く前に、薄いピンク色の花を咲かせます。

3月下旬から4月の上旬に咲くので、お花見をする対象としても最高です。

あんずの名産地として有名な長野県では、あんずの花を観賞するツアーもあります。

あんずの花の名所といえば、善光寺、千曲市のあんずの里などがあります

特にあんずの里では、花が見ごろの4月にイベントがあるので、その時期に合わせて訪れるのも良いでしょう。

また、あんずは食べる、見る以外にも木を材木として利用することもあります。

主に中国など海外での利用法ですが、民族楽器など木製の製品に利用されます。

木製の笛のズルナという民族楽器などでも用いられます。

中国では、種を漢方薬と用いることが多いです。

咳止めや痰切りに用いますが、ある程度体力のある人向けの生薬です。

胃腸の調子が良く無い人は、専門家に相談しながら摂取しましょう。

他の薬との飲み合わせにも注意しなくてはいけないので、素人判断で用いるのは避けた方が良いです。
あんずの種は、アーモンドのように油分がたっぷりと含まれています。

アーモンドオイルは食用として流通していますね。

実はあんずの油も製品化されていて、様々な用途で利用しているのです。

パキスタンでは、あんずオイルを食用として利用している地域があります。

炒め物など料理に使われ、アミグダリンという成分ががん細胞を死滅させるのではないかと研究されています。

アーモンドオイルも、昔は薬用として利用されていたのだそうです。

日本ではキョウニン油とも呼び、食用よりは美容に用います。

ヘアオイルとして用いるのが一般的で、粘度が低いせいかさらっと馴染みの良いのが特徴です。

保湿効果があるので、もちろん顔や体に塗って見るのもよいでしょう。

あんずオイルは種の部分を圧縮させて製造しているので、あんずの果実の香りというよりも、アーモンドのような香りです。

香りを良くするために、後から果実の香りを付けているのもあるようです。

店頭ではあまり見かけませんが、ネットで購入することができます。
あんずは加工品が有名ですが、西洋種との掛け合わせにより、生食しても甘くて美味しい品種があります。

また、ちょっと酸味があっても、生の果実が手に入れば手作りのお酒や無添加のジャムを楽しむことができます。

しかし、ドライアプリコットは見たことがあっても、生のあんずはあまり見かけたことが無いという人も多いのでしょうか。

あんずの収穫時期は6月下旬から7月ですが、品種によっても異なります。

実際に店に流通するのは、ほんの1週間から2週間ぐらいなのです。

その1週間を逃してしまうと、生の果実にお目にかかれなくなります。

毎日スーパーや八百屋に行くような主婦ならともかく、これではつい買いそびれてしまいそうです。

それにあんずは日持ちしないため、長い輸送にも耐えられず、あまり広い範囲で流通しません。

確実に生あんずを手に入れようと思うなら、少々お高くなりますがインターネットを活用しましょう。

今では数多くの農園が、ネット販売を手掛けています。

しかし、収穫時期の6月では遅すぎるので、3月、4月ごろからネットでチェックしましょう。