あんずの種類

あんずには、在来種、派生種、交配種などを含めると約20種類の品種があります。

それぞれ目的に応じて、品種を使い分けます。

品種完了したものは甘くて生食しても美味しいのですが、在来種は酸っぱめで、果実酒、ジャムなどの加工品に用いられます。

あんずの里がある長野県千曲市では、在来種があります。

特に品種名は無いのですが、樹齢250年以上にもなる見事な樹木もあります。

昔はどこの家の庭にもあったあんずの木ですが、年々減ってきています。

あんずの木は花が付くと美しく、何十本と並ぶとそれは見事な風景です。

昔からある在来種を残していこうと、長野県では取り組んでいます。

あんずの主な品種は平和、昭和、信山丸、ハーコット、信月です

品種によって収穫時期は違い、6月下旬ごろから次々と収穫しては時期を終えます。

あんずの時期は7月まで続きますが、品種それぞれの旬は本当に短いので、生の果実を手に入れたければ、インターネットで早めに注文をしましょう。
長野県は、栽培面積、出荷量ともに日本で一番のあんずの産地です。

その中でも、千曲市、長野市で活発に栽培をしています。

昔はあちこちの民家の庭先で大きなあんずの木が見られたようですが、今では住宅事情も変わり、昔のように一般家庭であんずの木を植えているところは減ってきました。

長野県には昔からある在来種に加え、様々な品種があります。

その中でも一番有名なのが、平和、信州大実でしょう。

平和は、大正時代に偶然発見された品種です。

酸味が強いのが特徴です。50gから70gぐらいの実をつけます。

生食もできますが甘みが少ないため、主にジャム、干し杏などの加工品に使われます。

収穫時期は、6月下旬から7月上旬ぐらいです。

信州大実は、西洋杏のアーリーオレンジと新潟大実の交配でできた品種です。

糖度は平和よりも高く、実も80gから100gと大きめです。

甘みがあることから、生食してもいいですが、日持ちしない杏のことなのでジャムにすることも多いです。

収穫時期は平和よりも遅れて、7月中旬ごろからです。
青森県の果物といえばリンゴが有名ですが、長野県と並んであんずの名産地でもあります。

青森県で主に作られている品種には、八助、新潟大実などがあります。

新潟大実は、昭和初期から栽培されている新潟県原産の品種です。

大きさは40gから60gで、酸味が強いです。

そのため、生食には向かず、シロップ漬け、ジャム、干し杏などの加工品に利用されます。

収穫時期は7月上旬ごろです。

もうひとつの品種、八助は80gもするほど大きな実を付けます。

あんずなのに、地元では八助梅と呼ばれています。

食感が梅に似ていて、八助を用いたシソ巻きのことを梅干しと呼びます。

酸味もありますが甘みもあるので、生食するにも向いています。

八助が開発されたのは1700年代のことで、それから青森県の南部で栽培され続けられています。

収穫されるのは7月に入ってからですが、一部でしか栽培されていない貴重な品種で日持ちもしないので、生食用で出回ることはないでしょう。
・昭和
昭和15年に長野県で発見された品種で、40gぐらいのややこぶりな実を付けます。

収穫時期は7月上旬から中旬ぐらい、酸味が強いので生食ではなくシロップ漬けなどの加工品に利用されることがほとんどです。

・信月
交配によって生まれた新しい品種のあんずです。

1961年に交配は行われていましたが、品種として登録されたのは1992年です。

新潟大実と西洋杏のチルトンを交配されていて、糖度が高く生食にも向いています。

収穫時期は遅めで、7月中旬から下旬に実が成熟します。

・信山丸
40gぐらいのこぶりな実で、甘みもあるため、生食用としても剥いています。

質はいいのですが生産農家が少ないため、滅多にお目にかかれない高級あんずというイメージがあります。

収穫時期は少し早めの6月下旬からです。

・山形3号
山形原産の品種のあんずですが、長野県で主に栽培されています。

見た目は他のあんずよりも黄色味が強いのが特徴です。 酸味が強いので、干しあんずなどに用いられます。
西洋あんずは全体的に、甘みが強いのが特徴です。

そのため、日本の品種を交配させるのにも良く利用されます。

ヨーロッパ、カナダやアメリカの品種も、まとめて西洋あんずと称します。

・ハーコット
80gにもなるかなり大きな実が特徴で、熟してくると赤みを帯びてきます。

カナダの品種で、日本には1979年に持ちこまれました。

甘みが強いので、ジャムなどの加工品はもちろん、生食で美味しく食べられます。

7月上旬ごろから収穫されます。

ハーコットは雨に弱いのが難点ですが、生食するには最高の品種です。

ハーコットと筑波5号を交配させたサニーコットという品種もあります。

・ゴールドコット
こちらも甘みが強いため、生食に向いている品種です。

ゴールドコットはアメリカの品種で、1967年に日本に持ちこまれています。

50gぐらいの大きさで、7月中旬ごろから収穫されます。

・チルトン
チルトンは日本で歴史の古い西洋あんずです。

新しい交配種の元にもなり、チルトン自体も甘みがあり、生食もできます。

信月といって新潟大実を交配させたものが有名です。
あんずの原産地の中国では、生食だけではなく薬用にも用います。

杏の種の中には杏仁(きょうにん)と呼ばれるものがあり、生薬として利用されていました。

アジアのあんずは酸味が強いので、むしろ生薬として利用されるのが当り前で、日本でもあんずを食べるようになったのは明治時代になってからと言われています。

・蒙古あんず
河北省、山西省北部の野生種です。

耐寒性に優れており、マイナス30度まで耐えることができます。

実は5g程度で、生食用ではなく薬用です。

・仁杏(じんきょう)
1939年(昭和14年)に長野県へ伝えられた中国原産のあんずです。

70gの大きめの実をつけ、甘みの強い品種です。

見た目がスモモに似ていて、スモモとの雑種ではないかと思われています。

他にも麦黄準杏、楊貴妃、仰ショウなどの品種があります。

中国産の生のあんずは見かけることはありませんが、干し杏などはスーパーに良く置いてあります。

その他にはお酒、生薬として中国産が用いられることが多いです。
あんずは中国原産の果実ですが、世界で一番多く生産しているのはトルコです。

日本でもトルコ産の干しあんずを食べることができます。

トルコであんず栽培が有名な土地は、マラティアという地域です。

マラティアでは、あんずのことを黄金の実を呼びます。

この地方で栽培されるあんずは、そのままマラティア種として世界でも人気があります。

マラティア地方は地下水が豊富なので、あんずも酸味が少なく甘みが強くなります。

種と実が離れやすいので、種なしドライアプリコットが作れます。

マラティアでは長野県と同じ様に、暖かくなる3月の下旬ごろには、咲き乱れるあんずの花を観賞することもできます。

トルコのあんずの甘みが強いのは、地中海気候にもよります。

地中海沿岸のギリシャでもあんずは栽培されており、東洋系とは違う甘い西洋系が進化した地域でもあります。

つまり、西洋系の元祖とも言われる種類なのです。

とにかく甘さの強いドライアプリコットを食べたければ、トルコのマラティア種がお勧めです。
南アフリカもあんずが栽培される国です。

日本へもドライフルーツ、ジャム、シロップ漬けの缶詰などで輸入されます。

南アフリカはあんず以外にも、ワイン、オレンジなどで知られています。

南アフリカの干しあんずの特徴は、酸味です。

アメリカ産もやや酸味がありますが、それよりも強いです。

酸っぱいドライアプリコットが好きという人は、があるのが特徴なので、酸っぱいのが好きな人にはお勧めです。

南アフリカは南半球にあり、地中海性気候なので、あんずの栽培にも適しています。

ケープタウンにはワイン農園が数多くありますが、あんずもケープタウンで栽培されています。

広大な敷地のブドウ畑の風景は、知る人ぞ知る美しさです。

南アフリカでは、あんずジャムを料理に用います。

ボボティーというミートローフのようなひき肉料理があるのですが、味付けにあんずジャムやウスターソース、レモンなどを使います。

それ以外にもたくさんのスパイスや、アーモンド、レーズンなども使います。
カリフォルニアの南西部は、地中海性気候に分類され、太平洋からの風でじめじめせず、非常に快適な気候です。

カラッとしている地中海性気候は、あんずの栽培にも適しています。

この地方で栽培されるあんずは、カリフォルニアあんずとしてとても人気があります。

ドライアプリコットは南アフリカ産、トルコ産など様々な産地のあんずが使用されていますが、カリフォルニアのドライアプリコットが一番好きだという人も多いですね。

その秘密は、ほどよい甘さと酸味のバランスです。

南アフリカ産は酸味が強く、トルコ産は甘みが強いです。

カリフォルニア産は、酸味も甘みも兼ね備えています。

カリフォルニアのホリスター地区であんず栽培は盛んに行われ、日本と同じ様に6月ごろから収穫がはじまします。

広大な土地にずらっと並べられたあんずは辺り一面をオレンジ色に染め、やがて美味しいドライアプリコットになります。

有名な品種はブレンハイム種で、かなり肉厚です。

完熟すると桃みたいな甘さなのですが、生のカリフォルニアあんずは現地でしか味わうことができません。