あんずの基礎知識

あんずとはバラ科の植物で、高さ3メートルから9メートルまで成長する木に実をつけます。

実の形は梅に似ていますが、サイズは梅よりも大きく、熟すると黄色くなり、甘酸っぱくなります。

実の形だけではなく、樹木も梅の木そっくりです。

春には葉っぱより先に、淡いピンク色の花が咲き、花見の対象ともなります。

その後、葉が出て実が付きます。

収穫時期は6月下旬から7月で、生食用の果実もありますが日持ちしないので、あまり多くは流通しません。

生のあんずを見たことが無いという人も多いのではないでしょうか。

一般的には、ジャムなどの加工品にすることが多いです。

国内では長野県、青森県、福島県、広島県、熊本県、群馬県などで栽培されていますが、海外では中国、トルコ、ヨーロッパなどで栽培されています。

原産地は中央アジア、中国とされています。

あんずは、別名、唐桃やアプリコットと呼びます。

日本で「唐桃」と呼ぶのは中国から伝わってきたことにも関係します。
あんずは美容、健康に良い食べ物としても注目されています。

代表的な栄養素は、ベータカロテンです。

ベータカロテンは、植物に含まれる色素の一つで、あんずの橙色の元にもなっています。

体内でビタミンAに変化し、抗酸化作用や免疫機能アップなどの働きを持ちます。

ベータカロテンが含まれている食べ物といえば、かぼちゃ、ニンジン、ホウレンソウなどです。 どれも色の濃い植物ですね。

また、クリプトキサンチンという成分も含まれています。

クリプトキサンチンは、オレンジ色の成分で、ミカンに含まれていることで知られています。

ベータカロテンよりも体内で留まる時間が長く、抗酸化作用などの働きをします。

クエン酸も含まれていて、あんずの酸味の元になっています。

こちらも柑橘系の果物に含まれている成分で、疲労回復に役立ちます。

マグネシウム、カリウムなどのミネラルも含んでいます。

カリウムはあんずの実100g当たり200mg含まれています。

カリウム不足になる人は多いので、積極的にあんずで補うと良いでしょう。
あんずはあまり生の物が出回ることはないのですが、もし生の果実に出会う機会があれば、良いあんずの見分け方を覚えておくと便利です。

もし庭で育てているなら、実が落ちた音がしたときに、急いで拾いにいきましょう。

ポイント1:感触
果皮に張りがあり、きゅっと実がしまっているのがポイントです。

ポイント2:見た目
全体が黄色く色づいている(ハーコットはオレンジ色)、皮に傷が無いのを選びましょう。

ポイント3:香り
ほんのりあんずの香りが漂ってくるようになったら、食べごろです。

特に信州大実はとても香りが多いです。

あんずはとにかく痛みやすいので、食べごろを迎えたら、早めに食べるか、冷蔵庫で保存しましょう。

食べきれないものはシロップ漬け、お酒に漬けるのが便利です。

ただし、シロップ漬けやお酒に漬けるときには、熟したものではなく、やや硬めの果実を使うようにしましょう。

ハーコットやゴールドコットなどの糖度の高い品種が手に入れば、ぜひ生食を試してみましょう。
あんずの原産地は、アジア西部という説もあれば、中国北部の山岳地帯という説もあります。

日本には中国から伝わるようになりました。

中国の古い文献によると、2000年以上も前からあんずの栽培を行っていたという記録も残っているのだそうです。

すでに紀元前の時代には、中国からペルシア、アルメニア、ギリシアと伝わっていきました。

その後ギリシア、ローマと広まっていきました。

ヨーロッパにあんずが広まったのは、ローマに伝わったことがきっかけです。

そこからイギリス、スペインへと広まっていきました。

あんずに東洋的なイメージを持つ人は多くいますが、実はヨーロッパでもアプリコットという名前で愛されています。

栽培の歴史も長く、東洋種とは別に西洋種が多く誕生しています。

西洋のあんずが日本へ入ってきたのは明治時代のことで、イギリス原産のムアパークという品種はかなり栽培の歴史が長く、すでに明治時代には日本へ持ちこまれています。